WebRelease 2.75Y インストールマニュアル (OS X / macOS 用)

本マニュアルでは WebRelease 2.75Y を OS X または macOS にインストールする方法を説明しています。以下の説明をお読みの上 WebRelease 2.75Y のインストールを行なってください。

1 動作環境

WebRelease 2.75Y をインストールして稼働させるサーバには下記の条件を満たすものをご用意ください。

1.1 オペレーティングシステム

WebRelease 2.75Y は以下のいずれかの OS を塔載したマシンにインストールして使用してください。

WebRelease 2.75Y は OS X v10.9 以前にはインストールできません。

OS は最新の状態になるようにアップデートを適用しておいてください。

1.2 必要メモリ容量

マシンのメモリ容量は WebRelease の性能を大きく左右します。なるべく多くのメモリを搭載したマシンでご利用ください。最小でも 1G Byte 以上のメモリを搭載したサーバをご用意ください。2G Byte 以上を推奨致します。

WebRelease の運用に必要となるメモリ容量は管理するコンテンツにより変化します。ごく大雑把な目安として、多少多めに見積もるならば 10,000 ページあたり 4G Byte 程度のメモリをご用意頂くと WebRelease を快適にご利用頂けるようです。

WebRelease の運用に先立って、マシンに搭載されている実メモリの内どれだけを WebRelease に割り当てるかを指定する必要があります。インストール終了後、後述の「動作メモリサイズの設定」に従って WebRelease に割り当てるメモリサイズの指定を行ってください。

1.3 必要ディスク容量

WebRelease は稼働のためのユーザアカウント wr2 を作成して使用します。WebRelease をインストールするとインストーラがサーバ上に同アカウントを自動作成します。

ユーザ wr2 のホームディレクトリ下には WebRelease のアプリケーション本体がインストールされます。また、WebRelease2.storage というサブディレクトリが作成され、そこには WebRelease の運用に必要となる全てのデータが格納されるリポジトリが構築されます。

ユーザ wr2 のホームディレクトリ下には WebRelease で管理したいと考えているコンテンツ総量の 10 倍以上のディスク容量を確保してください。たとえば、公開サーバー上で 3G Byte 程度となるであろうコンテンツを WebRelease で運用管理したい場合には、ユーザ wr2 のホームディレクトリ以下に 30G Byte 以上の領域を確保してください。

この必要ディスク容量の値は目安です。この値はコンテンツ構成や更新頻度、各種ログの保存状況などにより変化します。WebRelease の運用を開始したらディスク残量については随時監視を行ない、ユーザ wr2 のホームディレクトリ以下のディスク消費量と同量以上の空きディスクスペースを維持した状態で WebRelease を運用してください。

ユーザ wr2 のホームディレクトリは必ずローカルディスク上になければなりません。もし、WebRelease のインストーラを実行した結果、ユーザ wr2 のホームディレクトリが NAS (Network Attached Storage)上に作られてしまった場合には、運用を開始する前に、同ユーザのホームディレクトリをローカルディスク上に移動してください。この際、インストーラが作成したユーザ wr2 のホームディレクトリ下のファイルをすべて移動先の新ホームディレクトリに移動する必要があります。

2 HTTP サーバ Apache の準備

WebRelease は HTTP サーバの Apache と連携して動作します。WebRelease のインストール作業を開始する前に Apache の準備を行ってください。

OS X v10.10
OS X v10.11 の場合

Apache は下記のコマンドで自動起動するように設定します。このコマンドの実行にはシステム管理者権限が必要です。sudo コマンドなどを併用して作業を行ってください。

# launchctl load -w /System/Library/LaunchDaemons/org.apache.httpd.plist

このコマンドを実行すると apache が起動します。また、次回 OS 起動時に自動起動するようになります。

macOS Sierra v10.12 以降の場合

まず、mod_proxy を有効にする設定を行います。macOS Sierra v10.12 以降では、デフォルトでは apache の mod_proxy は有効になっていませんのでそれを有効にしておきます。/etc/apache2/httpd.conf を編集して設定を行います。作業には管理者権限が必要です。sudo コマンドなどを併用して作業を行ってください。

# vi /etc/apache2/httpd.conf

httpd.conf の中の mod_proxy 関連のコメントを外します。

#LoadModule proxy_module libexec/apache2/mod_proxy.so

の行頭の # を外して下記のようにします。

LoadModule proxy_module libexec/apache2/mod_proxy.so

少し下に、もう一ヶ所あります。

#LoadModule proxy_http_module libexec/apache2/mod_proxy_http.so

の先頭の # を外して下記のようにします。

LoadModule proxy_http_module libexec/apache2/mod_proxy_http.so

修正を終えたらファイルを保存してください。

次に、Apache を下記のコマンドで自動起動するように設定します。このコマンドの実行にはシステム管理者権限が必要です。sudo コマンドなどを併用して作業を行ってください。

# launchctl load -w /System/Library/LaunchDaemons/org.apache.httpd.plist

このコマンドを実行すると apache が起動します。また、次回 OS 起動時に自動起動するようになります。

Apache の準備はこれで完了です。ブラウザで http://<your.computer>/ にアクセスしてみて Apache が稼働しているかどうか確認しておいてください。

Apache の安全確実な稼動のために、お使いの OS に附随するドキュメントや Apache のマニュアルを参考に httpd.conf の設定内容を確認し、必要があれば設定変更を行なった上でシステムを運用してください。

apache に対して SSL や アクセス制限などの諸設定を行いたい場合には、一旦 WebRelease のインストールと動作確認までを終えた後で諸設定を行うことをお薦めします。

3 Apple Silicon の場合は Rosetta をインストール

この手順は、WebRelease を Apple Silicon を搭載した Mac にインストールする場合にのみ必要になります。Intel アーキテクチャの CPU を搭載する Mac にインストールする場合は、この手順は実行する必要はありません。

WebRelease を Apple Silicon arm64 アーキテクチャの Mac にインストールする場合には、WebRelease のインストールの他に、Rosetta のインストールが必要です。Rosetta は Apple 社から供給されているパッケージで、x86_64 用のバイナリを arm64 アーキテクチャの Apple Silicon で実行できるように変換を行なうソフトウェアです。以下の手順で Rosetta をインストールしておいてください。

  % sudo softwareupdate --install-rosetta

4 WebRelease 2.75Y のインストール

ディレクトリ OS-X に置かれているパッケージ WebRelease2.pkg をダブルクリックしてください。その後はインストーラの指示に従ってインストールしてください。インストールの最後でマシンを再起動してください。

参考:インストーラの実行内容の概要は下記の通りです。

  1. ユーザ wr2 の作成

    WebRelease が稼働するために必要となるユーザ wr2 を作成します。このインストールがアップグレードインストールであり、既にユーザ wr2 が作成されている場合にはユーザ wr2 の作成は行われません。

  2. 稼働中の WebRelease の停止

    稼働中の WebRelease がある場合にはそれを停止します。

  3. WebRelease のインストール

    ユーザ wr2 のホームディレクトリに WebRelease2 と ThirdPartyProducts という二つのディレクトリを作成し、そこに WebRelease の稼働に必要な全てのプログラムをインストールします。

    ディレクトリ WebRelease2 には WebRelease の本体がインストールされます。

    ディレクトリ ThirdPartyProducts には Tomcat、JDK 等の、他社製のソフトウェアがインストールされます。

    WebRelease はここにインストールされている Tomcat や JDK を使います。プラットフォームにインストールされている他の Tomcat や JDK は使用しません。

  4. 自動起動ファイルの設定

    マシンが起動した時に自動的に WebRelease がサービスを開始するように設定されます。下記のディレクトリが作成され、その中に自動起動に必要なスクリプトが納められます。

    /Library/LaunchDaemons/jp.co.frameworks.WebRelease2.plist
  5. 旧バージョンの WebRelease 関連ファイルの削除

    旧版の WebRelease がインストールされていた場合、それらのバージョンが使用していたファイルを全て削除します。

    ユーザ wr2 のホームディレクトリに保持されている旧版を使用して作成したコンテンツデータ WebRelease2.storage は削除されることなくインストールした新版に引き継がれます。

  6. Apache と WebRelease の接続のための mod_proxy の設定

    /etc/apache2/other/webrelease2.conf というファイルが以下の内容で作成されます。

    <IfModule mod_proxy.c>
      ProxyPass             /WebRelease2    http://127.0.0.1:50002/WebRelease2
      ProxyPassReverse      /WebRelease2    http://127.0.0.1:50002/WebRelease2
      ProxyTimeout          1800
    </IfModule>
    

5 シリアルキーと期間ライセンスコードの設定

インストール終了後にマシンを再起動すると WebRelease は Port 50002 で HTTP/1.1 でのリクエストを受け付ける状態で稼働を開始します。下記 URL にローカルマシン上のブラウザからアクセスしてみてください。

http://127.0.0.1:50002/WebRelease2

また、Apache との連携が正常にできている場合にはネットワーク経由で他のマシンから下記の URL にアクセス可能になっているはずです。

http://<your.computer>/WebRelease2

正常にインストールできている場合には「シリアルキーの設定」画面が表示されます。画面の指示に従い製品に添付されているシリアルキーを入力してください。シリアルキーを入力すると WebRelease を使用できるようになります。

インストールした製品が Enterprise AL の場合、シリアルキーの入力に続いて期間ライセンスコードの入力が必要です。シリアルキー入力後に期間ライセンス入力画面が表示されますので、製品に添付されている「期間ライセンスコード」(12桁の数字) を入力してください。

「シリアルキー」と「期間ライセンスコード」は製品の一部ですので大切に保管してください。紛失しないでください。

6 管理者 (admin) パスワードの設定

WebRelease を新規にインストールした場合には、下記の手順に従って WebRelease の管理者アカウント admin のパスワードの再設定を行ってください。

インストール直後の状態では WebRelease には下記のユーザ ID とパスワードでログインできるようになっています。

ユーザIDadmin
パスワードwebrelease

インストールを終えたら、なるべく早くこのユーザのパスワードを変更しておいてください。パスワードを変更しておかないと外部から不正にログインされてしまう危険があります。

アップグレードインストールを行った場合は、アカウント情報やコンテンツデータはそのまま引き継がれていますので、admin のパスワードの再設定は必要はありません。

7 動作メモリサイズの設定

インストール直後は WebRelease には仮の値として 512M Byte のメモリを割り当てた状態になっています。この値を実際のマシンに搭載されたメモリサイズに合わせて指定しなおしてください。

指定の変更は下記の手順で行います。

  1. WebRelease に admin でログインします。

  2. 「サイト選択」画面右上に表示されている「システム管理」ボタンをクリックします。

  3. 「メモリー設定」タブにある「割り当てるメモリサイズ」の欄に適切な値を指定します。画面の指示に従って値を決めてください。

  4. 指定したら画面右上の「保存」ボタンをクリックして指定した値を保存します。

  5. 同じ画面にある「再起動」ボタンをクリックして WebRelease を再起動します。この時、ブラウザの画面に proxy error のメッセージが表示される場合がありますが異常ではありません。

画面から WebRelease を再起動すると、再起動が完了してサービスが再開されるまでの間はブラウザから WebRelease にアクセスできなくなります。しばらく待ってからもう一度 WebRelease にアクセスして「メモリー設定」タブの値が指定した値となって起動されているかどうか確認してください。

8 WebRelease のマニュアル

WebRelease の機能とその利用方法については、ユーザーズマニュアルをご参照ください。WebRelease にログインした状態で画面の上部中央付近にある「?」マークのボタンをクリックするとマニュアルを参照できます。

9 その他

WebRelease は複数のインスタンスを起動して負荷分散する方式で運用することはできません。同一のマシン上で複数の WebRelease を起動する設定を行うと二つ以上の WebRelease インスタンスが同時にデータ領域を更新しあいリポジトリが破損する場合があります。

10 付記

WebRelease は株式会社フレームワークスソフトウエアの登録商標です。その他の記載したソフトウエア名、商品名、製品名は、一般に開発元・販売元各社の商標または登録商標です。

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