WebRelease 2.50 リリースのお知らせ

WebRelease 2.50 をリリースいたしました。

このバージョンには、英語 U/I、操作履歴、テンプレート機能の強化など、多くの新機能が盛り込まれています。バージョン 2.50 の概要は下記のとおりです。

Developer Edition の追加

従来からの Enterprise Edition、Workgroup Edition、Enterprise AL に加え、新たに Developer Edition という製品が加わりました。

WebRelease Developer Edition は機能的には Enterprise Edition と同一です。ページ数、サイト数、ユーザ数に制限はありません。ですが、この製品は開発用途に限定された製品です。実サイトの運用にはご利用いただけません。

この製品は、既に Enterprise Edition をお持ちか、Enterprise Edition と同時購入のお客様のみご購入いただける製品です。

英語インターフェース

WebRelease のユーザインターフェースに英語が追加されました。ユーザのブラウザの言語設定を日本語以外に設定することで WebRelease を英語インターフェースで利用できるようになりました。英語インターフェースではエラーメッセージを含め、全インタフェースが英語化されます。なお、製品のマニュアルは日本語版のみのです。

タイムゾーン対応

WebRelease で使用する各種の時刻表現がタイムゾーンに対応しました。サイトごとにタイムゾーンを指定することができます。サイトにタイムゾーンを指定すると、サイト内の時刻表示および入力が、すべて指定されたタイムゾーンに切り替わります。 サイトのタイムゾーンは随時変更することができます。

SFTP のサポート

従来の FTP に加えて SFTP (SSH File Transfer Protocol) が使用できるようになりました。 SFTP 接続を行う場合には、公開鍵認証を採用することもできるようになっています。

操作履歴

ユーザのログイン/ログアウトの履歴が記録されるようになりました。また、ページ、テンプレート、その他、各種設定に関しても操作履歴が記録されます。 ユーザは随時、これらの履歴を参照することができるようになっています。一部のログはシステム管理者のみ参照可能です。

パスワードセキュリティの強化

パスーワードに有効期限を設定することができるようになりました。有効期限を過ぎた状態でログインすると新パスワードの設定画面が表示されるようになりました。また、システム管理者が他のユーザのパスワードを設定または再設定した場合、再設定を受けたユーザは、次回ログイン時に自身でのパスワード再設定が要求されるようになりました。 パスワード文字数をの最短、5 文字から 15 文字 の範囲で規定することができるようになりました。 同じパスワードを繰り返し再利用することを禁止することができるようになりました。最大で、過去 15 世代まで遡り、そのユーザが過去に利用したパスワードの再利用を禁止することができます。

コンポーネント

テンプレートを作成する際に、コンポーネントが利用できるようになりました。定型的なパターンをコンポーネントとして定義しておき、それらを組み合わせてテンプレートを開発する手法を採る事で、テンプレートの開発効率と品質を高めることができるようになっています。コンポーネントは、単独でページの作成には使用できない点を除いてテンプレートとほぼ同等となっています。

セレクタ

テンプレートを作成するときに使用できる要素のタイプに「セレクタ」が追加されました。セレクタは、グループ項目に似ています。グループ項目は、コンテンツ入力時にそのグループ項目の各子要素にデータを入力しますが、セレクタは、子要素の内のひとつを選んでデータを入力します。セレクタを使えば、コンテンツ入力時に必要なコンテンツの形状を選択してコンテンツを作成することができるようになります。セレクタは、他のセレクタやグループ項目と自由に入れ子にして使用することができます。

メソッド

テンプレートにメソッドが定義できるようになりました。従来、コンテンツを生成するロジック部分は、テンプレートの展開部分にまとめて記述する必要がありましたが、バージョン 2.5 からは、展開を複数のメソッドの組み合わせとして作成できるようになりました。これにより展開の見通しがよくなり、テンプレートのメンテナンス性が向上します。メソッドは、他のテンプレートやコンポーネントからも呼び出すことも可能です。

チェックボックス

テンプレートを作成するときに使用できる要素のタイプに「チェックボックス」が追加されました。複数の選択肢から、複数を選ぶ入力要素が使えるようになりました。

関数の追加

テンプレートの展開中で使用できる関数として、下記が追加されました。

add, allObjects, allPages, find, getXML, indexOfPage, isFirstPage, isLastPage, multiply, nextPage, parseDateRFC2822Relaxed, prevPage, remainder, replaceFirst, resourceWithName,searchText, siteTimeZone, subtract, thisPage, trim

getXML 関数は外部の XML 文書を WebRelease に取り込むことができる関数です。従来の XMLReader 要素の場合には、取得先 URL をコンテンツ入力時に指定する必要がありましたが、getXML() 関数では、動的に取得先 URL を指定することができます。外部から取得した XML 文書中に記述されている URL を辿って次の XML 文書にアクセスする必要がある場合などに対応できるようになりました。

テンプレートのリビジョン管理

テンプレートをリビジョン管理できるようになりました。これにより、修正を開始する場合などに、リビジョンを保全しておくことができるようになりました。テンプレートを過去のリビジョンい戻したり、過去のリビジョンをベースに新しいテンプレートを作成することができます。

オブジェクトの追加

展開中で利用可能な下記のオブジェクトが追加になりました。

  • CheckBox
  • Page
  • Selector

Proxy サーバ

WebRelease は外部の XML (RSS など) のコンテンツを取りむ際に、http または https を使用します。この時に Proxy サーバを使用するように指定することができるようになりました。Proxy サーバ側からの認証要求に対応しています。対応している認証方式は下記のとおりです。

  • BASIC 認証
  • DIGEST 認証
  • NTLM 認証

特定のサーバに対しては Proxy サーバを経由せずに直接接続するように、ホスト名、ドメイン名、IP アドレスのパターンを登録することができます。サーバ証明書を WebRelease に登録すれば、対向する Proxy サーバが自己署名されている証明書または私設認証局(未知の認証局)により署名されている証明を使用している場合でも接続可能です。

証明書のインポート

自己署名されている証明書や、私設認証局(未知の認証局)によって署名されている証明書を使用しているサーバに対して WebRelease から SSL / TLS / STARTTLS を使って接続を行なうための証明書を WebRelease にインポートすることができるようになりました。インポートできる証明書の形式は X.509 形式の DER エンコーディング、または PEM エンコーディングです。インポートされている証明書は、いつでも画面で知ることができます。それらは、管理画面からダウンロードすることができ、また削除することができます。

ストレージ管理機能の強化

ディスク残量を常時監視し、不足する可能性が考えられる場合に、不足に先立ってシステム管理者にメールで通知することができるようになりました。

WebRelease は、必要に応じてバックグラウンドでストレージの圧縮処理を行います。この処理は、WebRelease がコンテンツの保持のために占有しているディスク領域の中に発生する未使用領域を解消して、占有サイズを小さく保ために行われるのですが、この比較的負荷の高い処理を起動する時間帯を指定することができるようになりました。また、指定したサイトのストレージを手動で圧縮することができるようになりました。

公開サーバー上のファイルのモード指定

公開サーバにアップロードしたファイルのモード(Permission)をテンプレート単位で指定できるようになりました。 スクリプトや Server Side Include などの対象となるコンテンツをアップロードする場合に役立ちます。 (XBitHack 対応)

フォルダ内でのページとフォルダの順序

フォルダ内でのページの順序を指定できるようになりました。従来のタイトル昇順以外に、タイトル降順が指定できるようになっただけでなく、
任意の順序を指定することができるようになりました。順序の指定はマウスによるドラッグで可能です。

ページやフォルダの順序は生成されるコンテンツに反映することができます。

リンク先の指定方法の強化

ページ編集画面でコンテンツを入力する際の、WebRelease 内のページへのリンクを指定するリンク要素の入力指定方法が強化されました。WebRelease 2.5 からは、ダイアログパネルを使って任意のページへのリンクが簡単に作成できるようになりました。

ページ編集画面での入力エリアの開閉表示

ページ編集画面でコンテンツを入力する際、入力エリアを開閉できるようになりました。複雑な入力パターンをもつテンプレートの場合など、入力画面が繁雑になりがちですが、 注目していない入力エリアを閉じておくことで、入力画面を扱いやすく表示することができるようになりました。

Java SE 6 と Tomcat 6.0

WebRelease に同梱している Tomcat のバージョンが 6.0.20 となりました。また、同梱している JRE のバージョンが 1.6.0_24 になりました。

その他

WebRelease 2.50 には、以上以外にも多数の小機能の追加、これまでに発見されている不具合の修正などが施されています。

従来製品との互換性

WebRelease 2.50 は WebRelease 2.40 に対して十分な互換性を維持しています。2.40 以前のバージョンをお使いのお客様は、安全に 2.50 へのアップグレードが可能です。

アップグレード作業中の不慮の事故や予期せぬ事態に対応するために、アップグレード作業開始前にストレージのバックアップを取得しておくことをお勧めします。

バージョン 2.50 は従来製品 (2.1x 2.2x 2.3x 2.4x)と十分な互換性を維持していますが、ユーザインタフェースを含め、比較的大きな変更が加えられているバージョンでもあります。WebRelease の場合、アップグレードライセンスに規定されている範囲内であれば、一定の期間に限り、現在ご利用のバージョンと、新しいバージョンとを、異なるサーバ上で並行してご利用いただくことができます。事前にバージョン 2.50 の機能を確認しておきたいとお考えでしたら、検証環境をご用意いただき、現在ご利用のバージョンと並行して、新バージョンを試用することをご検討ください。

WebRelease 2.2 系以前から 2.50 へのアップグレードの際にはストレージデータのコンバータが稼働しますのでアップグレードには時間がかかる場合があります。詳細につきましては「WebRelease 2.30 リリースノート」の「従来製品との互換性」の項をお読みください。

2.3 系以降から 2.5 系へのアップグレードではストレージデータの変換は発生しませんので、アップグレードは短時間(数分程度)で終了します。

このバージョンで修正された不具合

このバージョンでの不具合の修正はありません。