WebRelease 2.40 リリースのお知らせ
WebRelease 2.40 をリリースいたしました。
このバージョンには、多段階承認プロセス機能、WYSIWYG エディタ機能、ユーザインタフェースの改良など、多くの新機能が盛り込まれています。バージョン 2.40 の概要は下記のとおりです。
期間ライセンス製品の発売
従来からの Enterprise Edition と Workgroup Edition に加え、このバージョンからは、新たに Enterprise AL という製品が加わりました。
Enterprise AL は機能的には Enterprise Edition と同一ですが、ライセンス期間が 1 年に設定された製品です。ライセンス期間の満了時には、追加の期間ライセンスをご購入いただき、引続き Enterprise AL としてご利用いただくか、または、Enterprise Edition にアップグレードするかを、ご自由にお選びいただけます。もちろん、ライセンス期間中のアップグレードや追加の期間ライセンスのご購入も可能です。
多段階承認機能の追加
承認プロセスに基づいたページの公開管理ができるようになりました。
承認プロセスは 1 段階から 5 段階までで自由に組み立てることができます。承認プロセスを構成する各ステップには、任意の人数の担当者を配置することができます。承認プロセス中には、オプショナルな、スキップ可能なステップを組み込むこともできるので、承認プロセスの不要なオーバヘッドが防止できます。
承認の各ステップには、承認依頼メール、承認完了通知メール、差戻通知メール、承認遅延警告メールを発信する機能が実装されています。メールの配信先は一般的にはステップの承認担当者ですが、承認担当者以外のスタッフへの配信や、メールを受け取らない担当者の配置もできます。メール本文中には、承認画面に直接 JumpIn するための URL が書き込まれているため、スピーディに承認画面に到達可能です。
複数のページを一括して承認依頼する「一括承認依頼」機能、一括して承認する「一括承認」機能もサポートされています。また、多数の承認依頼を安全に管理するために、承認依頼をフォルダに分割して管理することができます。
承認の各ステップには、ページの編集権を持たない(ページを修正できない)承認者を配置することもできます。
従来どおり、承認プロセスを使用しない運用も可能です。
ユーザインタフェースの改良
ほとんどの画面に、スクロールバーの位置を記憶する機能が組み込まれました。たとえば、ページ編集画面でコンテンツの入力作業をしている途中で、他のページに行って何か別の作業を行ない、またページ編集画面に戻って来た時に、以前のスクロールバーの位置が再現され、スムースに作業の続きを再開できます。
画面上部のメニューバー、コマンドボタン、タブ部分が、画面上部に固定表示されるようになりました。ページ編集画面などで縱スクロールして作業をしている状態でも、メニューバー、コマンドボタン、タブが常に見える位置に表示された状態となります。ボタンを押すために上部までスクロールする必要がなくなりました。また、スクロールバーの位置もシステムに記憶されているため、保存ボタンをクリックした時にも、スクロール位置を維持した状態で作業を継続できます。
日付処理の機能強化
日付/時刻入力用の要素が追加されました。また、日付のフォーマッティングとパース機能が実装されました。RFC2822 型式、W3CDTF 型式に対応しているため RSS の生成や日付のパースが以前より簡単にできます。また、日付の元号(明治以降)への変換もできるようになりました。
画像の拡大・縮小・回転・圧縮機能の追加
画像データの入力時に、画像の拡大、縮小、90度単位での回転ができるようになりました。また、画像の圧縮時に使用する jpeg の圧縮パラメタを指定できるようになりました。
この新機能により、デジタルカメラなどで撮った写真や、パソコンの画面をキャプチャして作成した画像などを、事前に画像処理アプリで加工処理する手間をかけることなく、直接入力できるようになりました。
さらに、入力可能な画像の最大サイズ(縦横)とファイルサイズも指定できるようになりました。画像の縦横サイズについては、サイズをオーバする画像を入力した場合には、許容されている最大サイズまで縦横比率を維持した状態で自動リサイズするようになっていますので、入力するだけで指定されているサイズにリサイズすることができます。
添付ファイルのサイズ制限機能の追加
入力可能な添付ファイル(PDFなど)のサイズを制限できるようになりました。また、添付ファイルの型式やサイズを展開中で取得できるようになりましたので、ファイルのダウンロードリンクに附帯情報としてファイル種別やファイルサイズを自動表示することができるようになりました。サイズに関しては関数により補助単位 (k M G T P E Z Y および Ki Mi Gi Ti Pi Ei Zi Yi) を使った表記に変換して表示することもできます。
WYSIWYG エディタの組み込み
ページ編集時に WYSIWYG エディタが使えるようになりました。ページ全体の構成や導線をテンプレートでコントロールしながら、細部を WYSIWYG エディタで自由に編集することができるテンプレートを作成することができます。
WYSIWYG エディタでは、一般的な編集だけでなく Word 文書からレイアウトを維持したままでの貼り付けや作表なども行えます。
WYSIWYG エディタに対しては、要素ごとに、異なるエディタ設定を指定できるようになっています。エディタ設定により WYSIWYG エディタの機能を制限したり、フォントに指定可能なパレット色を、事前にデザインされた色に制限することなどができます。また 、エディタ設定には、WYSIWYG エディタ中で入力する添付ファイルや画像のサイズの制限を指定できます。画像については、画像要素と同様、90度単位の回転とリサイズ、圧縮がサポートされています。
入力データのチェック機能の強化
1行テキスト、複数行テキスト、WYSIWYG エディタについて、最短と最長の文字数制限を指定できるようになりました。WYSIWYG エディタおよび、HTML が入力されているテキストについては、タグを除去した後の文字数(概算)に対して制限を指定します。また、すべての入力項目について、必須入力の指定をすることができるようになりました。入力条件が規定されているフィールドへの入力が条件を満たしていない場合には、ページ編集画面にエラーメッセージが表示されます。
WebRelease 拡張タグの追加と機能強化
WebRelease 拡張タグがいくつか追加されました。
- if-then-else 構文が使えるようになりました。
- wr-break タグにより wr-for ループの途中脱出ができるようになりました。
- wr-- タグにより任意の部分をコメントアウトすることができるようになりました。
- wr-error タグにより強制的にエラーを発生させることができるようになりました。
- wr-for タグには times= という指定ができるようになりました。これにより、ループ回数を直接指定することができます。
出力フィルタの追加
下記の出力フィルタが追加され、簡単にコンテンツの整形が行なえるようになりました。
- 全角で表記された英字 (AからZとaからz) を対応する半角表記に変換する。
- 全角で表記された数字 (0123456789) を対応する半角表記に変換する。
- 全角で表記された記号 (!”#$%&’()*+,-./:;<=>?@[\]^_`{|}~ ) を対応する半角表記に変換する。
- 半角カタカナ (カタカナと記号「」。、と濁点と半濁点) を対応する全角表記に変換する。
出力フィルタはテンプレートごとに設定可能です。
サイトの閉鎖機能の追加
サイトが閉鎖できるようになりました。閉鎖されたサイトはシステム管理ユーザ以外には見えなくなります。サイトをコピー(エキスポート/インポート)してリニューアル作業をすすめ、最後に旧サイトを閉鎖すれば、サイトの切り替えを間違いなく行なえるようになるでしょう。
関数とオブジェクトの追加
テンプレートの展開中で使える関数の数が、従来の 34個 から 67個へと大きく増えました。正規表現(Regular Expression)を使える関数も追加されています。
Folder オブジェクトが追加されました。このオブジェクトはテンプレート中で参照可能です。Folder オブジェクトを使うと、そのフォルダまでのトップフォルダからのパス(階層)の取得や、フォルダに置かれている他のページへのアクセスなどができます。Folder オブジェクトを使うことで、以前より簡単に階層構造にもとづく導線を作りだすことができます。特に、いわゆる「パンくずリスト」の作成がより簡単に行なえます。
テンプレートの使用禁止設定機能の追加
企画の終了やリニューアルなどで使われることのなくなったテンプレートに対して「新規のページ作成を禁止」する設定ができるようになりました。これにより、古いテンプレートがいつまでもテンプレート選択画面に表示されてしまう状況を解消できるようになりました。
フォルダ機能の強化
フォルダには、利用可能なテンプレートを設定できるようになりました。フォルダ以下に置くコンテンツに応じてフォルダにテンプレートを指定しておくことで、ページ作成時のテンプレート選択が間違いなくスピーディに行なえるようになります。
フォルダに対して、新規のページの作成、新規のフォルダの作成、を禁止する設定ができるようになりました。
フォルダには、そのフォルダに置かれているページを公開する際に適用すべき承認プロセスを任意個指定できるようになりました。
FTP 機能の強化
FTP のくり返し実行を予約できるようになりました。毎日一定時刻または、特定曜日、特定曜日を除く、などさまざまなパターンでの指定ができるようになりました。
FTP の成功/失敗をメールにて通知する機能が追加されました。
運用管理機能の強化
各種メールの配信機能に対応して、WebRelease が使用する SMTP サーバの設定を行なう管理画面が追加されました。SMTP サーバの設定はすべて画面から可能です。
期間ライセンス製品 Enterprise AL のリリースに合わせ、期間ライセンス期限の表示と追加の期間ライセンスの入力を行なうための管理画面が追加されました。
Tomcat 5.5.27 と JRE 1.5.0_16 への移行
WebRelease に同梱している Tomcat のバージョンが 5.5.27 となりました。また、同梱している JRE のバージョンが 1.5.0_16 になりました。
CentOS 5 への対応
今次バージョンより CentOS 5 に対応いたしました。
従来製品との互換性
WebRelease 2.40 は WebRelease 2.31B に対して十分な互換性を維持しています。2.31B 以前のバージョンをお使いのお客様は、安全に 2.40 へのアップグレードが可能です。ただし、アップグレード作業中の不慮の事故や予期せぬ事態に対応するために、アップグレード作業開始前にストレージのバックアップを取得しておくことをお勧めします。
バージョン 2.40 は従来製品 (2.1x 2.2x 2.3x)と十分な互換性を維持していますが、承認ワークフロー機能や WYSIWYG エディタなど、ユーザインタフェースを含め、比較的大きな変更が加えられているバージョンでもあります。WebRelease の場合、アップグレードライセンスに規定されている範囲内であれば、一定の期間に限り、現在ご利用のバージョンと、新しいバージョンとを、異なるサーバ上で並行してご利用いただくことができます。事前にバージョン 2.40 の機能を確認しておきたいとお考えでしたら、検証環境をご用意いただき、現在ご利用のバージョンと並行して、新バージョンを試用することをご検討ください。
WebRelease 2.2 系以前から 2.40 へのアップグレードの際にはストレージデータのコンバータが稼働しますのでアップグレードには時間がかかる場合があります。詳細につきましては「WebRelease 2.30 リリースノート」の「従来製品との互換性」の項をお読みください。
2.3 系から 2.4 系へのアップグレードではストレージデータの変換は発生しませんので、アップグレードは短時間(数分程度)で終了します。
このバージョンで修正された不具合
このバージョンでの不具合の修正はありません。