動的 CMS ならばパーソナライズが実現できる?
静的 CMS の弱点のひとつは、パーソナライズと言われる、相手にあわせてコンテンツの出し分けをすることができない、という点があります。確かにひとつの弱点のようにも見えます。
ですが、ここでよく考えなければなりません。動的 CMS ならば、すぐにパーソナライズが実現できるのでしょうか?答えは、多分 NO です。
パーソナライズを意味のあるレベルで実現するためには、数多くのハードルを超えてゆかなければなりません。
- 相手が誰なのかが判らなければいけません。個人を特定することが必要なくても、その人についてのいくつかの属性がわかっていなければなりません。性別、居住地域、年齢、家族構成、来店履歴、購入履歴、行動履歴などです。そういう情報なくして効果的なパーソナライズはできそうにありません。
- ユーザがある属性を持っていることが判った時に、その人に対してどういうコンテンツを出せば良いのかの判断ができなければなりません。そのアリゴリズムは簡単なものではなさそうです。機械学習が関連するような、複雑な課題である可能性を強く感じます。
- パーソナライズが成功し、成果が出始めたら、もっと強力なパーソナライズが欲しくなるでしょう。成果で得られた利益を再投資してもっと利益が得られるようにしてゆくのが企業活動です。その時には、もっと強力なデータベース、もっと強力なアルゴリズムが欲しくなるはずです。
こういった高度なニーズを満たすためには、しっかりした DMP (Data Management Platform) の構築が欠かせないと思いますがいかがでしょうか?単に動的 CMS でコンテンツの出し分けができるという事と、意味ある、価値あるパーソナライズを実現することの間にはとてつもなく大きなギャップがあるのです。ちょこちょこっとプログラミングすればできあがるものではないと考えますがいかがでしょうか?
例えば WebRelease + R-Toaster
最近では、静的 CMS から配信される静的コンテンツの中に javascript などを組み込み、その javascript が DMP 上のパーソナライズエンジンの指示に従ってユーザに提示するコンテンツを動的に組み立てるタイプのパーソナライズが多く行われているようです。
ページ全体を動的 CMS で作るのでなく、ページの一部分、例えば「おすすめの商品」の部分のみを javascript などを使ってパーソナライズします。CMS と DMP とパーソナライズエンジンが独立したシステム構成が採れます。システム全体の自由度が広がる優れた構成ではないでしょうか。用途に応じてパーソナライズエンジンを組み合わせることも可能になります。
WebRelease も、例えば R-Toaster などのリコメンドエンジンと組み合わせてユーザに適したコンテンツを提示するサイトの構築に利用することができます。