WebRelease 2.60 リリースのお知らせ

WebRelease 2.60 をリリースいたしました。

このバージョンは、マルチデバイス配信など、重要な新機能が盛り込まれています。バージョン 2.60 の概要は下記のとおりです。

マルチチャネル配信機能

マルチデバイスへのコンテンツ配信を実現するために、ワンソース・マルチユースを支援する機能が大幅に強化されました。

WebRelease 上の 1 ページに対して複数の異なる展開処理を施し、種々のデバイスでの閲覧に適したマークアップコンテンツを複数生成し、それらを別々のサーバに同時並行配信できるようになりました。コンテンツのエンコーディングも配信先ごとに指定することができます。

コンテンツの製作から承認・公開までのプロセスを一本化しながら、複数デバイスへのコンテンツ配信を効率的に行える環境が実現しています。

それぞれのデバイスに向けて配信されるコンテンツは、デバイスタイプごとに事前にプレビューすることができます。プレビューのために、事前に時間のかかるコンテンツ生成処理は必要ありません。また、実機でのプレビューを行いやすくするために QR コードでプレビュー URL を表示する機能も組み込まれました。コンテンツの承認時にも、各デバイスでの表示具合をチェックしながら承認判断をおこなうことができます。

ユーザの利用しているデバイスの識別と、そのユーザからのアクセスを適切な URL(チャネル)に誘導するための仕組みには user-agent と Apache のモジュール mod_rewrite を使用しています。(mod_rewrite は公開サーバ上のものを使用します) WebRelease には、この mod_rewrite 用の設定ファイル(ディレクティブ)を自動生成し、アップロードする仕組みが備わっています。ディレクティブを生成する基となるデバイスの分類ルールは、WebRelease の管理画面から簡単なシンタクスで入力できるようになっています。

辞書による語句のチェック

コンテンツ中の語句をチェックするための辞書を搭載しました。

辞書は「使用禁止語辞書」「文字置換辞書」「書き換え推奨語辞書」「書き換え抑止語辞書」の 4 種類です。これらの辞書に語句を登録しておくことで、コンテンツ中にある適切性を欠く表現や、よりよい表現への書き換えを検討すべき表現について、コンテンツ作成時に自動でチェックを行うことができるようになりました。この辞書の機能を利用することで、文字化けが発生する文字、端末によっては表示できない文字、あるいは視認性に問題がある文字などの使用をチェックしながらのコンテンツ作成もできます。

辞書への登録、削除、変更は管理画面から随時行うことができます。辞書は CSV ファイルとしてダウンロードすることができます。また、CSV ファイルから一括して辞書登録することもできます。

ユーザインタフェースの改良

多くの操作画面が改良され、より使いやすくなっています。

可能なかぎりクリッカブルなエリアが広げられていて、操作性が向上しています。また、ドラッグによって複数のチェックボックスを一挙に設定変更できるなど、随所で操作性の向上が図られています。

チェックボックス・ラジオボタンの機能強化

テンプレート中の要素のチェックボックスとラジオボタンに「入力画面で選択肢の追加ができる」という設定項目が追加されました。この設定を ON に指定しておくことで、ページ編集画面側でチェックボックスやラジオボタンの選択肢を追加できるようになりました。

また、チェックボックスとラジオボタンについて、その選択肢セットを複数のチェックボックスやラジオボタンで共有できるようになりました。テンプレート作成時に、選択肢リストに「共有名」を指定することで、複数のチェックボックスとラジオボタンが、同一の選択肢セットに従って動作するように設定できます。

ダッシュボード機能

新たにダッシュボードが追加されました。ダッシュボードには、操作しているユーザが編集中のページ、編集中のテンプレート、処理担当となっている承認依頼、が一覧で表示されます。担当している作業の把握と迅速な処理に役立ちます。

操作履歴の機能強化

操作履歴を月単位でダウンロードすることができるようになりました。また、月単位での過去履歴の削除ができるようになりました。

関数及びオブジェクトの追加

テンプレートの展開中で使用できる関数として、下記が追加されました。

channel, channelCookieName, channelName, encoding

また、展開中で利用可能なオブジェクトとして Channel オブジェクとが追加になりました。

拡張タグの追加

テンプレートのメソッド中で使用できる拡張タグとして wr-return が追加されました。この拡張タグはメソッドから値(リストなど)を持ち帰る場合に使用します。

メモリ利用状況監視機能

WebRelease に割り当てられているメモリの利用状況を随時監視し、不足の懸念がある場合には運用管理担当者に警告メールを送付する機能が追加されました。メモリの利用状況は、管理画面で直接見ることもできるようになっています。

IE 6 / IE 7 のサポート終了

WebRelease 利用者 (WebRelease にログインしてその機能を使用するスタッフ) のブラウザ環境から IE 6 と IE 7 が除外されました。対応ブラウザは下記のとおりです。

  • IE 8 以降
  • Safari 4 以降
  • Chrome 4 以降
  • Firefox 4 以降

公開コンテンツを閲覧するユーザのブラウザ環境には従来どおり制限はありません。

待機系ライセンスの追加

WebRelease2 Version 2.60 のリリースに合わせ、待機系用ライセンスの提供を開始させていただきます。

対応プラットフォームの追加

下記の2つの OS が対応プラットフォームに追加されました。

  • OS X 10.8
  • OS X 10.8 + Mountain Lion Server

その他のサポートプラットフォームは従来どおりで変更はありません。

Java SE 6 と Tomcat 6.0

WebRelease に同梱している Tomcat のバージョンが 6.0.32 となりました。また、同梱している JRE のバージョンが 1.6.0_26 になりました。

その他

WebRelease 2.60 には、上記以外にも多数の小機能の追加、これまでに発見されている不具合の修正などが施されています。

従来製品との互換性

WebRelease 2.60 は WebRelease 2.50 に対して十分な互換性を維持しています。2.50 以前のバージョンをお使いのお客様は、安全に 2.60 へのアップグレードが可能です。

WebRelease 2.5 系に比較して、WebRelease 2.60 はメモリ消費量が 20% 程度増加する場合があります。2.50 以前のバージョンから 2.6系 にアップグレードする場合には、メモリ利用量に上記程度の余裕があることを確認の上アップグレードを行ってください。

アップグレード作業中の不慮の事故や予期せぬ事態に対応するために、アップグレード作業開始前にストレージのバックアップを取得しておくことをお勧めします。

バージョン 2.60 は従来製品 (2.1x 2.2x 2.3x 2.4x 2.5x)と十分な互換性を維持していますが、ユーザインタフェースを含め、比較的大きな変更が加えられているバージョンでもあります。WebRelease の場合、アップグレードライセンスに規定されている範囲内であれば、一定の期間に限り、現在ご利用のバージョンと、新しいバージョンとを、異なるサーバ上で並行してご利用いただくことができます。事前にバージョン 2.60 の機能を確認しておきたいとお考えでしたら、検証環境をご用意いただき、現在ご利用のバージョンと並行して、新バージョンを試用することをご検討ください。

WebRelease 2.2 系以前から 2.60 へのアップグレードの際にはストレージデータのコンバータが稼働しますのでアップグレードには時間がかかる場合があります。詳細につきましては「WebRelease 2.30 リリースノート」の「従来製品との互換性」の項をお読みください。

2.3 系以降から 2.6 系へのアップグレードではストレージデータの変換は発生しませんので、アップグレードは短時間(数分程度)で終了します。

このバージョンで修正された不具合

このバージョンでの不具合の修正はありません。

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